24SS総合カタログ
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「はじめは、私の方がNFT上で作品を売ったり、新しいアートの可能性が何かないかと考えていたりしたんです。そんな中、海外で12歳の少年の描いた絵がNFT上で高値で売れたとのニュースを長男に話したところ、『僕も自由研究に何かを描いて、売ってみたい』と。そこからZombie Zoo Keeper(ゾンビの飼育員)としてのNFT プロジェクトが始まりました。」(草野絵美 以下同)自分も絵を描いて売ってみたい世界的なDJが購入し、話題に「国内のアーティストや海外の有名インフルエンサーが買ってくれたのを皮切りに、どんどんと知名度と作品の価値が上がり、最終的には世界的なDJ・スティーヴ・アオキさんが二次流通で3作品を購入してくださって、大きな注目を集めましたね。小学生の作品が世界中から脚光を浴びるまでのスピード感や、NFTという新しい技術の可能性を感じた瞬間でもありました。」NFT界で注目を集める11歳の少年デジタルデータに仮想通貨のブロックチェーン技術をかけ合わせたNFT。デジタルが故に、これまでコピー可能だったデジタルアート作品のオリジナルの所在を明確にし、さらにその所有権を売買することができるという仕組みだ。そんなNFT 業界で注目を集めるのが弱冠11歳のZombie Zoo Keeperさん。今回はZombie Zoo Keeperさんの母親でもあり、プロデュースを手掛けるデジタルアーティストの草野絵美さんにお話を伺った。動物とゾンビがテーマになった理由「息子とNFTのプロジェクトをやるにあたっては、継続性のあるテーマでなければならないと思いました。そこで息子と二人でやりたいテーマを話し合い、『動物をゾンビにしていこう』というアイディアでまとまりました。動物ならバリエーション豊富に描けるし、NFTで主にアートを買っている欧米人にはゾンビが伝わると思い、いざ描き始めて、NFT上に出品していきました。」Tシャツにすることでデジタルアートを皆が身につけられる「Tシャツに施したビビッドな色のプリントや刺繍はとても精巧で、作品の良さがそのまま落とし込めましたね。なにより、これまでデジタル上だけにあった作品たちが、Tシャツという媒体を通すことで、リアルアートになり、そしてそのアートを、皆が身につけて持ち運ぶことができます。ここにNFTアートと、Tシャツ作りの相性の良さが詰まっているなと感じました。」展示のグッズとしてのTシャツ制作「今回制作したTシャツは、東京都現代美術館にて開催されていた『MOTアニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ』のグッズとして販売したもの。Zombie Zoo Keeperとして、これまでの軌跡や今回はじめて登場する新作などを展示しました。そのグッズとしてPrintstarのTシャツにスティーヴ・アオキさんが所有するテントウムシとレオパードの作品のプリントと刺繍をさせていただきました。」

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