数多くのファッションブランドのルックやアーティスト写真の撮影を行うフォトグラファーの野口悟空さんは、彼がこれまで撮りためてきたポラロイド写真を使い、「写真とは異なる形の作品」としてオリジナルスウェットを制作した。「写真を見ると、撮ったときに戻れる感覚があるんです。これって写真特有の力だと思っていて。今回セレクトした4つの写真も、どれも僕のお気に入りの瞬間です」。友人と過ごした時間や、散歩中に見つけた心揺さぶられるほどの綺麗な景色など、野口さんにとって思い出深い瞬間が散りばめられている。また、「空っぽのなかにも悟りを開いて生きていってほしい」という思いを込めて付けられた「悟空」という自身の名前を象徴したシンボルが、背面の首元にプリントされているのも特徴的だ。ボディの色にライトブルーを選んだのは、大人っぽい印象があるカーキのアイテムを普段着用することが多い野口さんが考える「一番カーキに合う色だから」だそうだ。ちなみにシンプルな白を選ばなかったのは、「ポラロイドの白ふち部分が分かるようにしたかった」という理由。彼の表現に対するこだわりが感じられる。今回のオリジナルスウェットの制作にあたり、「写真をSNSに載せて終わりではなく、別の形に残していくことも大切」だと気づいたと話す。「オリジナルウェアにすることで、思い出として撮った写真と共に新たな思い出を作り、少しずつプリントされた過去が色あせて変化していく様子を楽しめる。そんな写真の楽しみ方があってもいいのかなと思います」。いつもとは違う形。しかし、このウェアもまた、写真と向き合うフォトグラファーの重要な1枚の「作品」なのだ。写真を見ると、撮った瞬間に戻れる写真をウェアにして残す価値とは?7
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