ɡlimmerで制作したのは、杢グレーのスウェット。山本さんの心をざわつかせたものを寄せ集め、コラージュされている。「今このものたちがあった場所に行っても、多分もうそこにはなくて。ゴミとして消えていたり、風で飛ばされてなくなっていると思います。だから、私が見つけて写真を撮ることによって、そのものと私だけで出来上がる『瞬間のアート』が生まれ、無意味だったものが私にとっては無意味なものじゃなくなるんです」。こうした山本さんの感覚が、ロングTシャツと共通でスウェットの前面にも刺繍されている「Meaninglessness has a touch of existence.」の意味なのだろう。ボディーの色に選んだダスティピンクと杢グレーは、「コーディネートを組むのが苦手」だと話す山本さんが、どんなときでも「大丈夫だと思える2色」を選んだ。「自分で選んだ色が、ある日の気分と違ったりすると落ち込んじゃうから、どんなときでも着られる落ち着いた色を選びました。特別なものより、普通の色の方が、私の意図も反映しやすいかなと思ったんです」。また、ビビッドな色ではなく、霞んだ色だからこそ、「誰もが着られて、何にでも合わせられるものになっている」という。名もなき作品たちを、より多くの人に届けるためのアイデアも、豊富なカラーバリエーションを揃えるPrintstarとɡlimmerだからこそ実現できた。日常のなかに落ちているときめきを寄せ集めた、山本さんの感性が光る宝箱のようなオリジナルウェアが完成した。「瞬間のアート」をコラージュプリントで残すダスティピンクと杢グレーの共通点は?5
元のページ ../index.html#7